心の病気と聞いてうつ病がすぐに頭に浮かぶほど、誰もが知る病気になっています。うつ病は気分が落ち込み、何をやっても楽しくなくなる気分障害の1つですが、身体的な症状が現れると生活に支障をきたすものです。また、自殺企図を起こす場合もあるので、治療が求められます。そこで看護師がケアを行ううえで、注意しておきたいことを考えてみましょう。まず重要なことは、患者に寄り添って話を聴き、理解に努めることです。しかし、うつ病の患者はネガティブな思考になっているので、ネガティブな言葉を繰り返し発言します。このため、看護師がネガティブな発言にストレスを感じ、大きな負担になることも珍しくありません。患者のサポートが上手くいかなくなるため、程良い距離で接しましょう。

また、励ましの言葉を口にすることも避けるのが重要です。励ましの言葉をかけることで患者は自信を失い、苦痛を感じることになります。声をかける場合には励ますより、何か達成したときに褒めるようにしましょう。ですが、治療は一進一退で状態も日々変化します。昨日達成できたことも今日は達成できない場合があるのです。声かけは信頼関係を築くうえでも非常に大切ですが、どんな声かけをするか注意しなければなりません。うつ病との戦いは、患者にとって長いものになります。看護師は早く元の生活が送れるように患者と接することも多いでしょうが、焦らずに落ち着いて患者を支えてくことが重要です。